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2016年4月15日 (金)

使徒7:35-43 議会におけるステパノの弁明(説教)6

7:35こうして、『だれが、君を支配者や裁判人にしたのか』と言って排斥されたこのモーセを、神は、柴の中で彼に現れた御使の手によって、支配者、解放者として、おつかわしになったのである。
7:36この人が、人々を導き出して、エジプトの地においても、紅海においても、また四十年のあいだ荒野においても、奇跡としるしとを行ったのである。
7:37この人が、イスラエル人たちに、『神はわたしをお立てになったように、あなたがたの兄弟たちの中から、ひとりの預言者をお立てになるであろう』と言ったモーセである。
7:38この人が、シナイ山で、彼に語りかけた御使や先祖たちと共に、荒野における集会にいて、生ける御言葉を授かり、それをあなたがたに伝えたのである。
7:39ところが、先祖たちは彼に従おうとはせず、かえって彼を退け、心の中でエジプトにあこがれて、
7:40『わたしたちを導いてくれる神々を造って下さい。わたしたちをエジプトの地から導いてきたあのモーセがどうなったのか、わかりませんから』とアロンに言った。
7:41そのころ、彼らは子牛の像を造り、その偶像に供え物をささげ、自分たちの手で造ったものを祭ってうち興じていた。
7:42そこで、神は顔をそむけ、彼らを天の星を拝むままに任せられた。預言者の書にこう書いてあるとおりである、
『イスラエルの家よ、四十年のあいだ荒野にいた時に、いけにえと供え物とを、わたしにささげたことがあったか。
7:43あなたがたは、モロクの幕屋やロンパ〔ライファン(岩波訳、アモス5:26の70人訳)〕の星〔ロンパの星は「土星」(筆者挿入)〕の神を、かつぎ回った。それらは、拝むために自分で造った偶像に過ぎぬ。だからわたしは、あなたがたをバビロンのかなたへ、移してしまうであろう』。”(口語訳)

 36.37節には、「この人が、人々を導き出して、エジプトの地においても、紅海においても、また四十年のあいだ荒野においても、奇跡としるしとを行ったのである。この人が、イスラエル人たちに、『神はわたしをお立てになったように、あなたがたの兄弟たちの中から、ひとりの預言者をお立てになるであろう』と言ったモーセである。」とあります。
36節の「エジプトの地において・・奇跡としるしとを行った」というのは、出エジプト記7章~12章に亘って記されています。
「人々を導き出して」は、出エジプト12:41に、「四百三十年が終わったとき、ちょうどその日に、主の全集団はエジプトの国を出た。」(新改訳)と記されています。
「紅海においても・・奇跡としるしとを行った」というのは、出エジプト記14章に記されています。
「四十年のあいだ荒野においても、奇跡としるしとを行った」というのは、出エジプト15:22以降と民数記に記されています。

 37節の「神はわたしをお立てになったように、あなたがたの兄弟たちの中から、ひとりの預言者をお立てになるであろう。」というのは、申命記18:15にある、「あなたの神、主は、あなたのうちから、あなたの同胞の中から、私のようなひとりの預言者〔イエス・キリスト(筆者挿入)〕をあなたのために起こされる。彼に聞き従わなければならない。」(新改訳)とモーセが語ったことばです。
イエス様は、このおことばを思いうかべて、「・・モーセが書いたのはわたしのことだからです。」(ヨハネ5:46)とユダヤ人たちに語られたことがありました。
このおことばが含まれているヨハネ5:45-47には、
“5:45 わたしが、父の前にあなたがたを訴えようとしていると思ってはなりません。あなたがたを訴える者は、あなたがたが望みをおいているモーセです。
5:46 もしあなたがたがモーセを信じているのなら、わたしを信じたはずです。モーセが書いたのはわたしのことだからです。
5:47 しかし、あなたがたがモーセの書を信じないのであれば、どうしてわたしのことばを信じるでしょう。”(新改訳)と記されています。

 ステパノは、偽証者たちから「この人は、・・律法・・に逆らう言葉を語るのを止めません。・・モーセが私たちに伝えた慣例を変えてしまう。」(使徒6:13.14)と訴えられていましたが、イエス様を信じないあなた方の方こそ、モーセに聞き従っていない、即ち、神に反逆している、と語ったのです。

 38-41節には、出エジプトした民が、モーセから神のことばを聞き、また、教えを受け、また、36節にあるように、40年の間、奇跡としるしとを見ながらも、モーセに従うことをせず、偶像礼拝に明け暮れていた、と記されています。

 そのまとめとして使徒7:42.43で、小預言書のアモス5:25-27を聖霊様が自由に本質を変えることなく応用してステパノを通して証したのだろうと思います。

 42.43節には、“そこで、神は顔をそむけ、彼らを天の星を拝むままに任せられた。預言者の書にこう書いてあるとおりである、『イスラエルの家よ、四十年のあいだ荒野にいた時に、いけにえと供え物とを、わたしにささげたことがあったか。あなたがたは、モロクの幕屋やロンパ〔ライファン(岩波訳、アモス5:26の70人訳)〕の星〔ロンパの星は「土星」(筆者挿入)〕の神を、かつぎ回った。それらは、拝むために自分で造った偶像に過ぎぬ。だからわたしは、あなたがたをバビロンのかなたへ、移してしまうであろう』。”(口語訳)とあります。

 42節の「そこで」は35-41節を受けています。即ち、神様はイスラエルの民をエジプトでの奴隷状態から救出し、カナンの地に連れていくためにモーセを立てられました。そして、神様は、モーセを通してイスラエルの民に語られたのですが、民は、モーセの言うことを聞かず、また、数々の奇蹟としるしを体験しつつも偶像礼拝をし続けてきたので、ということです。

 「神は顔をそむけ」とありますが、出エジプトした民が、ヨシュアとカレブを除いて約束の地カナンに入れなかったのは、不信仰の故であったのでした。民数記13:1-14:12に記されているとおりです。このことについて、ヘブル人への手紙の著者は、ヘブル3:16-19に
“3:16 聞いていながら、御怒りを引き起こしたのはだれでしたか。モーセに率いられてエジプトを出た人々の全部ではありませんか。
3:17 神は四十年の間だれを怒っておられたのですか。罪を犯した人々、しかばねを荒野にさらした、あの人たちをではありませんか。
3:18 また、わたしの安息に入らせないと神が誓われたのは、ほかでもない、従おうとしなかった人たちのことではありませんか。
3:19 それゆえ、彼らが安息に入れなかったのは、不信仰のためであったことがわかります。”(新改訳)と記しています。

 不信仰と偶像礼拝は、表裏一体を為していると私は思います。
1サムエル15:23に、「従わないことは偶像礼拝の罪だ。」(新改訳)、「強情は偶像礼拝の罪に等しいからである。」(口語訳)、「高慢は偶像崇拝に等しい。」(新共同訳)とあります。
「不信仰」といっているのは、神様のおことばを信じない、即ち、神様を信じない、ということです。「不信仰」といっても、実は自分の考え、自分の感覚、自分の感情などの何かを信じているのです。即ち、神様よりも自分の方が上なのです。出エジプトの民は、主なる神様を礼拝し、金の子牛も礼拝しました。神様のおことばよりも自分の考えを優先するならば、それは、自分の考えというもの、即ち自分自身を偶像としているのです。主なる神ではない神と呼ばれるもの、それはすべて人間が作り出したものです。その根源をたどると、作り出した人の想像(考え)、こんな感じという感覚、欲望にたどり着くのではないでしょうか。ですから、像としてできている物を拝むのではなくても、主なる神様以外のものを第一とするならば、それは偶像礼拝なのです。イエス様が山上の垂訓で教えられたような捉え方に従えばそのようになると思います。イエス様は、
“5:21 昔の人々に『殺すな。殺す者は裁判を受けねばならない』と言われていたことは、あなたがたの聞いているところである。
5:22 しかし、わたしはあなたがたに言う。兄弟に対して怒る者は、だれでも裁判を受けねばならない。兄弟にむかって愚か者と言う者は、議会に引きわたされるであろう。また、ばか者と言う者は、地獄の火に投げ込まれるであろう。
5:27 『姦淫するな』と言われていたことは、あなたがたの聞いているところである。
5:28 しかし、わたしはあなたがたに言う。だれでも、情欲をいだいて女を見る者は、心の中ですでに姦淫をしたのである。”(口語訳)と語られ、心の中で思ったことは行ったことと同じであると教えてくださいました。ただしそれらの思いが自分から生じたのではなくサタンやサタンの配下の悪霊が入れてくる場合もあるのです(ヨハネ13:2)。サタンからの場合は、主の御名によって、排除命令をサタンに執行すれば、きれいになくなります。
ローマ3:10に、「義人はいない。ひとりもいない。」(新改訳)と記されているように、人は誰でも主イエス様の血潮がなければ神様の御前に立つことが出来ないことを覚えます。

 神様の裁きの方法は色々ありますが、使徒7:42には、「神は顔をそむけ、彼らを天の星を拝むままに任せられた。」とあります。罪を犯しても、神様の忠告を聞き入れることなく歩み続けた時、神様はこの様な裁きの方法をとられることがあることを教えられます。これと同じようなことがローマ1章にも
“1:20 神の、目に見えない本性、すなわち神の永遠の力と神性は、世界の創造された時からこのかた、被造物によって知られ、はっきりと認められるのであって、彼らに弁解の余地はないのです。
1:21 それゆえ、彼らは神を知っていながら、その神を神としてあがめず、感謝もせず、かえってその思いはむなしくなり、その無知な心は暗くなりました。
1:22 彼らは、自分では知者であると言いながら、愚かな者となり、
1:23 不滅の神の御栄えを、滅ぶべき人間や、鳥、獣、はうもののかたちに似た物と代えてしまいました。
1:24 それゆえ、神は、彼らをその心の欲望のままに汚れに引き渡され、そのために彼らは、互いにそのからだをはずかしめるようになりました。
1:25 それは、彼らが神の真理を偽りと取り代え、造り主の代わりに造られた物を拝み、これに仕えたからです。造り主こそ、とこしえにほめたたえられる方です。アーメン。
1:26 こういうわけで、神は彼らを恥ずべき情欲に引き渡されました。すなわち、女は自然の用を不自然なものに代え、
1:27 同じように、男も、女の自然な用を捨てて男どうしで情欲に燃え、男が男と恥ずべきことを行うようになり、こうしてその誤りに対する当然の報いを自分の身に受けているのです。
1:28 また、彼らが神を知ろうとしたがらないので、神は彼らを良くない思いに引き渡され、そのため彼らは、してはならないことをするようになりました。
1:29 彼らは、あらゆる不義と悪とむさぼりと悪意とに満ちた者、ねたみと殺意と争いと欺きと悪だくみとでいっぱいになった者、陰口を言う者、
1:30 そしる者、神を憎む者、人を人と思わぬ者、高ぶる者、大言壮語する者、悪事をたくらむ者、親に逆らう者、
1:31 わきまえのない者、約束を破る者、情け知らずの者、慈愛のない者です。
1:32 彼らは、そのようなことを行えば、死罪に当たるという神の定めを知っていながら、それを行っているだけでなく、それを行う者に心から同意しているのです。”(新改訳)と記されています。

 42節の「預言者の書にこう書いてあるとおりである」とある預言者とはアモスです。
アモス書5:25-27には、
“5:25 「イスラエルの家よ、あなたがたは四十年の間、荒野でわたしに犠牲と供え物をささげたか。
5:26 かえってあなたがたの王シクテをにない、あなたがたが自分で作ったあなたがたの偶像、星の神、キウンをになった。
5:27 それゆえわたしはあなたがたをダマスコのかなたに捕え移す」と、その名を万軍の神ととなえられる主は言われる。”(口語訳)と記されています。
ステパノが用いている聖書は、70人訳聖書といって、おもにヘブル語で記されている聖書をギリシャ語に翻訳した聖書でありました。
アモス5:26の「キウン」(口語訳、新改訳)、「ライファン」(岩波訳・70人訳聖書による)について:
新聖書注解によると、“「キウン」というアモスが語ったアッシリヤの星の神は、70人訳ではエジプトの土星の神レバの変形「ロンパ」と置き換えられている。”とあります。
アモスは今日言うところの信徒伝道者でした。神様の銘を受けて北イスラエルに対して預言したようです。従って、アモス5:27の「それゆえわたしはあなたがたをダマスコのかなたに捕え移す」の「ダマスコのかなた」はアッシリヤです。
しかし、ステパノは、聖霊によって「バビロンのかなたへ、移してしまうであろう」としています。北イスラエルも南イスラエルのユダも、神様によって移されてしまった裁きの原因は同じ偶像礼拝でした。聖書は聖霊の導きによって聖書記者として選ばれた人々によって記されたものですから、本質は変わらないのですが、聖霊は、このようなこともされるのだと思います。

 <お祈り>
天のお父様。
あなたの御名を崇めます。
偶像礼拝の恐ろしさ、まことの神を神とせず、自分を神とすることの恐ろしさをみます。
生涯、三位一体の主なる神様を神として歩む者であらせてください。
あなた様の恵みなくしては、そのように歩むことは私には不可能です。
恵みの上に恵みを増し加えてくださるあなた様に期待します。
御名を賛美し、主イエス・キリスト様の御名によってお祈りします。アーメン
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「主は私にかかわるすべてのことを、成し遂げてくださいます。主よ。あなたの恵みはとこしえにあります。」(詩篇138:8・新改訳)
ハレルヤ!

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