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2020年9月13日 (日)

1サムエル10章 サウルがイスラエルの初代の王として就任する

 1‐8節には、
“1 サムエルは油の壺を取ってサウルの頭に注ぎ、彼に口づけして言った。「主が、ご自分のゆずりの地と民を治める君主とするため、あなたに油を注がれたのではありませんか。2 今日、私のもとを離れて行くとき、ベニヤミンの領内のツェルツァフにあるラケルの墓のそばで、二人の人に会うでしょう。彼らはあなたに、『捜し歩いておられた雌ろばは見つかりました。あなたの父上は、雌ろばのことはどうでもよくなり、息子のためにどうしたらよいのだろうと言って、あなたがたのことを心配しておられます』と言うでしょう。3 そこからなお進んで、タボルの樫の木のところまで行くと、そこで、神のもとに行こうとベテルに上って行く三人の人に会います。一人は子やぎを三匹持ち、一人は円形パンを三つ持ち、一人はぶどう酒の皮袋を一つ持っています。4 彼らはあなたにあいさつをして、あなたにパンを二つくれます。彼らの手から受け取りなさい。5 それから、ペリシテ人の守備隊がいるギブア・エロヒムに着きます。その町に入るとき、琴、タンバリン、笛、竪琴を鳴らす者を先頭に、預言をしながら高き所から下って来る預言者の一団に出会います。6 主の霊があなたの上に激しく下り、あなたも彼らと一緒に預言して、新しい人に変えられます。7 これらのしるしがあなたに起こったら、自分の力でできることをしなさい。神があなたとともにおられるのですから。8 私より先にギルガルに下って行きなさい。私も全焼のささげ物と交わりのいけにえを献げるために、あなたのところへ下って行きます。私があなたのところに着くまで、そこで七日間待たなければなりません。それからあなたがなすべきことを教えます。」”(新改訳2017)と記されています。

 サムエルが高齢になった頃のイスラエルの民は、他の国々と同じように自分の国にも王が欲しいと思うようになっていました。
そのことは、1サムエル8:5に「ご覧ください。あなたはお年を召し、ご子息たちはあなたの道を歩んでいません。どうか今、ほかのすべての国民のように、私たちをさばく王を立ててください。」(新改訳2017)というイスラエルの長老たちの言葉が記され、またイスラエルに王を立てることは主の御心ではなく、王を立てた場合の民の損失について、サムエルが忠告した後にも、民はサムエルの忠告を受け入れず、イスラエルの民は「いや。どうしても、私たちの上には王が必要です。そうすれば私たちもまた、ほかのすべての国民のようになり、王が私たちをさばき、私たちの先に立って出陣し、私たちの戦いを戦ってくれるでしょう。」(1サムエル8:19.20)と答えたのです。  

 イスラエルの民の言葉を聞いた主は、「もう、この様な民はいらない。」と見捨てることをせず、誰が王にふさわしいかと、イスラエルを見渡してサウルに目を付けたのです。
 サウルは背の高いイケメンの若人で、健脚であり、当初は、忠実な性格を持ち、謙虚で、思いやりのある人でした。
主は、サウルをイスラエルの初代の王に決めたのです。そしてそのことを、サムエルがサウルと出会う前の日にサムエルに教えました。
 主がサムエルに語ったお言葉は「明日の今ごろ、わたしはある人をベニヤミンの地からあなたのところに遣わす。あなたはその人に油を注ぎ、わたしの民イスラエルの君主とせよ。彼はわたしの民をペリシテ人の手から救う。民の叫びがわたしに届き、わたしが自分の民に目を留めたからだ。」(1サムエル9:16・新改訳2017)というものであり、翌日サムエルがサウルに会った時には、主はサムエルに「 さあ、わたしがあなたに話した者だ。この者がわたしの民を支配するのだ。」(1サムエル9:17新改訳2017)と語られたのです。

 サムエルは、サウルに「全イスラエルの思いは、だれに向けられているのでしょう。あなたと、あなたの父の全家にではありませんか。」(1サムエル9:20・新改訳2017)と語り、王になるのはサウルであることを告げたのです。

 そして1サムエル10:1の“サムエルは油の壺を取ってサウルの頭に注ぎ、彼に口づけして言った。「主が、ご自分のゆずりの地と民を治める君主とするため、あなたに油を注がれたのではありませんか。」”(新改訳2017)と続いていきます。
「 」内の箇所を新共同訳は「主があなたに油を注ぎ、御自分の嗣業の民の指導者とされたのです。」と訳し、
口語訳は「主はあなたに油を注いで、その民イスラエルの君とされたではありませんか。あなたは主の民を治め、周囲の敵の手から彼らを救わなければならない。主があなたに油を注いで、その嗣業の君とされたことの、しるしは次のとおりです。」と意訳しています。

 そしてサムエルはサウルに、王とされたしるしとして、サムエルと別れた後、2‐7節の尋常ではない体験をすると、預言するのです。その内容は上記本文の箇所をお読みください。

 サウルが上記預言の体験をした後に、サムエルがサウルにすべきことを次のように教えました。「私より先にギルガルに下って行きなさい。私も全焼のささげ物と交わりのいけにえを献げるために、あなたのところへ下って行きます。私があなたのところに着くまで、そこで七日間待たなければなりません。それからあなたがなすべきことを教えます。」(8)と教えました。

 9節には、“サウルがサムエルから去って行こうと背を向けたとき、神はサウルに新しい心を与えられた。これらすべてのしるしは、その日のうちに起こった。”(新改訳2017)と記されています。

「神はサウルに新しい心を与えられた」ということについて、注解付新改訳聖書の注は「神の御霊の働きによりイスラエルの王たるにふさわしくされた」と述べています。

 「これらすべてのしるしは、その日のうちに起こった。」というのは、2‐7節でサムエルによって語られた預言の成就が1日の内に起こったということで、その内容の一部は、続く10‐13節に、
“10 彼らがそこからギブアに行くと、見よ、預言者の一団が彼の方にやって来た。すると、神の霊が彼の上に激しく下り、彼も彼らの間で預言した。11 以前からサウルを知っている人たちはみな、彼が預言者たちと一緒に預言しているのを見た。民は互いに言った。「キシュの息子は、いったいどうしたことか〔キシュの息子に何が起こったのだ(新共同訳)〕。サウルも預言者の一人なのか〔サウルもまた預言者の仲間か(新共同訳)〕。」12 そこにいた一人も、これに応じて、「彼らの父はだれだろう」と言った。こういうわけで、「サウルも預言者の一人なのか〔サウルもまた預言者の仲間か(新共同訳)〕」ということが、語りぐさになった。13 サウルは預言を終えて、高き所に帰って来た〔サウルは預言する状態からさめると、聖なる高台へ行った(新共同訳)〕。”(新改訳2017)と記されています。 

 14‐16節には、
“14 サウルのおじは、彼とそのしもべに言った。「どこに行っていたのか。」サウルは言った。「雌ろばを捜しにです。どこにもいないと分かったので、サムエルのところに行って来ました。」15 サウルのおじは言った。「サムエルはあなたがたに何と言ったか、私に話してくれ。」16 サウルはおじに言った。「雌ろばは見つかっていると、はっきり私たちに知らせてくれました。」しかし、サムエルが語った王位のことについては、おじに話さなかった。”(新改訳2017)と記されています。

 文章の内容が表面的なので、サウルの叔父の質問の核心がどこにあるのか、字面通りなのか、あるいはサムエルのところに行ったことを知っている上で質問しているのか、よく分かりません。
いずれにしても、サウルは、ロバのことは話しても、サウルがサムエルに油を注がれ王とされたことを、叔父に言いませんでした。
叔父についても、サウルについても、色々な憶測をすることの出来る箇所ですが、真実はどうなのか分かりませんからここには記しません。

 17‐19節には、サムエルがイスラエルの民を集めて、叱責の御言葉を伴う主の御言葉を伝えたことが次のように記されています。
“17 サムエルはミツパで、民を主のもとに呼び集め、18 イスラエル人に言った。「イスラエルの神、主はこう言われる。『イスラエルをエジプトから連れ上り、あなたがたを、エジプトの手と、あなたがたを圧迫していたすべての王国の手から救い出したのは、このわたしだ。』19 しかし、あなたがたは今日、すべてのわざわいと苦しみからあなたがたを救ってくださる、あなたがたの神を退けて、『いや、私たちの上に王を立ててください』と言った。今、部族ごと、分団ごとに、主の前に出なさい。」”(新改訳2017)とあります。

 サムエルのこの言葉を聞いても、だれ一人、「私は主に罪を犯しました。主よ、赦してください。」と祈る人はいなかったのだろうかと思います。主に悔い改めの祈りをしてから 、サムエルの後を継ぐ、主のみ旨に叶ったさばきつかさを主が与えてくださるように主に願えばよかったのに、と私は思います。
サムエルに「あなたがたの神を退けて」とまで言われても、反論しないとは一体どうしたことでしょうか。

 20‐24節には、“20 サムエルは、イスラエルの全部族を近づかせた。すると、ベニヤミンの部族がくじで取り分けられた。21 そして、ベニヤミンの部族を、その氏族ごとに近づかせた。すると、マテリの氏族がくじで取り分けられた。そして、キシュの息子サウルがくじで取り分けられた。人々はサウルを捜したが、見つからなかった。22 人々はさらに、主に「あの人はもう、ここに来ているのですか」と尋ねた。主は「見よ、彼は荷物の間に隠れている」と言われた。23 彼らは走って行って、そこから彼を連れて来た。サウルが民の中に立つと、民のだれよりも、肩から上だけ高かった。24 サムエルは民全体に言った。「主がお選びになったこの人を見なさい。民全体のうちに、彼のような者はいない。」民はみな、大声で叫んで、「王様万歳」と言った。”(新改訳2017)とあります。

 主による王の選びについて、主は最初に、サムエルに「明日の今ごろ、わたしはある人をベニヤミンの地からあなたのところに遣わす。あなたはその人に油を注ぎ、わたしの民イスラエルの君主とせよ。彼はわたしの民をペリシテ人の手から救う。民の叫びがわたしに届き、わたしが自分の民に目を留めたからだ。」(1サムエル9:16・新改訳2017)と語られました。そしてサムエルがサウルを見た時、主は「さあ、わたしがあなたに話した者だ。この者がわたしの民を支配するのだ。」(9:17)と語られたのです。そしてその翌朝、サムエルはサウルの連れの者を先に行かせるようにとサウルに指示し、その後サムエルはサウルと二人になったところで、“油の壺を取ってサウルの頭に注ぎ、彼に口づけして言った。「主が、ご自分のゆずりの地と民を治める君主とするため、あなたに油を注がれたのではありませんか。”(10:1・新改訳2017)という流れになっていました。
 そして今回は公に「くじ」によって王を選出したのです。それは20.21節に記されています。
旧約時代、主の主権の下でのくじ引きは、神の意志を明らかにするためのものでありました。
ですから、主は様々な方法をとってきましたが、主の方針は一貫していて、サウルを王とすることであったのです。
 余談になりますが、主の命令を破って罪を犯したアカンが、どの様にして見出されたのか、それはくじによって明らかにされたのです(ヨシュア7章)。また、今日の箇所よりも後の時のことになりますが、1サムエル14章にも、くじによって誰が問題を引き起こしたのかが特定されています(1サムエル14:42)。

 話を元に戻します。
くじによってもサウルが王になりました。
主なる神様からすればそのようにすることは簡単なことなのであろうと思います。

 さて、サウルはどうしていたのでしょうか?
荷物の間に隠れていたのです(22)。サウルはシャイな性格であったのです。

 イスラエルの民は、荷物の間に隠れていたサウルを民の中に連れてきました。そして、サムエルが「主がお選びになったこの人を見なさい。民全体のうちに、彼のような者はいない。」と語るとイスラエルの民は「王様万歳」と叫んだのです。

 そしてこの後のことが25‐27節に次のように記されています。
“25 サムエルは民に王権の定めについて語り、それを文書に記して主の前に納めた。それから、サムエルは民をみな、それぞれ自分の家へ帰した。26 サウルもギブアの自分の家へ帰って行った。神に心を動かされた勇者たちは、彼について行った。27 しかし、よこしまな者たちは、「こいつがどうしてわれわれを救えるのか」と言って軽蔑し、彼に贈り物を持って来なかった。しかし彼は黙っていた。”(新改訳2017)とあります。

<お祈り>
天のお父様。
あなたの御名を崇めます。
「あなたがたがわたしを選んだのではなく、わたしがあなたがたを選び、あなたがたを任命しました。・・・。」(ヨハネ15:16・新改訳2017)というイエス様の御言葉を思い浮かべます。
あなたのご期待に沿えるように歩むことが出来ますよう整え導いてください。
主イエス・キリスト様の御名でお祈りします。アーメン

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コメント

「自分の力でできることをしなさい」という神様の御言葉は、サウルを信頼し助け支えてくださるという事なのでしょうね。
ヨハ15:16、自信を持って主に信頼して歩む事をしたらよいのかな?と、まだまだ自信の無い私は、そのように思わせていただきました。

〝サムエルが語った王位のことについては、おじに話さなかった〟〝しかし彼は黙っていた〟
サウルは大人しい性格だから、選ばれた…と思いますが、人が地上生活を送る上でも必要な事、気をつける事なのかな?と思いました。

“「自分の力でできることをしなさい」という神様の御言葉は、サウルを信頼し助け支えてくださるという事なのでしょうね。”→
そういうことです。

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