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2020年9月 9日 (水)

1サムエル記6章 ペリシテ人、主(ヤハウェ)の箱を返還する

 1‐9節には、
“1 主〔ヤハウェ(筆者挿入)〕の箱は七か月間ペリシテ人の地にあった。2 ペリシテ人は祭司たちと占い師たちを呼び寄せて言った。「主の箱をどうしたらよいでしょうか。どのようにして、それを元の場所に送り返せるか、教えてください。」3 彼らは答えた。「イスラエルの神の箱を送り返すのなら、何もつけないで送り返してはなりません。神に対して償いをしなければなりません。そうすれば、あなたがたは癒やされるでしょう。また、なぜ、神の手があなたがたから去らないかが分かるでしょう。」4 人々は言った。「私たちが送るべき償いのものは何ですか。」彼らは言った。「ペリシテ人の領主の数に合わせて、五つの金の腫物、つまり五つの金のねずみです。彼ら全員、つまりあなたがたの領主たちに、同じわざわいが下ったのですから。5 あなたがたの腫物の像、つまり、この地を破滅させようとしているねずみの像を造り、それらをイスラエルの神に貢ぎとして献げなさい。もしかしたら神は、あなたがたと、あなたがたの神々、そしてあなたがたの地の上にのしかかっている、その手を軽くされるかもしれません。6 なぜ、あなたがたは、エジプト人とファラオが心を硬くしたように、心を硬くするのですか。神が彼らに対して力を働かせたときに、彼らはイスラエルを去らせ、イスラエルは出て行ったではありませんか。7 今、一台の新しい車を用意し、くびきを付けたことのない、乳を飲ませている雌牛を二頭取り、雌牛を車につなぎ、その子牛は引き離して小屋に戻しなさい。8 また、主の箱を取って車に載せなさい。償いとして返す金の品物を鞍袋に入れて、そのそばに置きなさい。そして、それが行くがままに、去らせなければなりません。9 注意して見ていなさい。その箱がその国境への道をベテ・シェメシュに上って行くなら、私たちにこの大きなわざわいを起こしたのはあの神です。もし行かないなら、神の手が私たちを打ったのではなく、私たちに偶然起こったことだと分かります。」”(新改訳2017)と記されています。

 1節には「主〔ヤハウェ(筆者挿入)〕の箱は七か月間ペリシテ人の地にあった。」とあります。
ペリシテ人は、神の箱を奪いました。ペリシテ人の町は5つありました。神の箱は5つの町をたらいまわしされました。神の箱を置いたペリシテ人の地の住民は、恐らく腺ペスト或いは肺ペスト、或いは肺血症型ペストになり、腫物や高熱及びその他の症状に苦しむ者たちや、死ぬ者が続出したのです。

 ペリシテ人の地を悩ませている災い(4)は、主から来たものであることをペリシテ人たちの多くの人は悟りましたが、中にはこの災いは主からではなく偶然であろうと考える者たちもいたのではないかと思います(9)。

 4節の「わざわい」と訳されている語の原語は「マゲファー」で、ペスト、悪疫、疫病 の意です。

 ペストについて、国立感染症研究所のサイトには、以下のように記されています。
“エルシニア属細菌の一種,ペスト菌(Yersinia pestis)感染に起因する全身性の侵襲性感染症.動物由来感染症.げっ歯類を保菌宿主とし,節足動物(主にネズミノミ属のノミ)によって伝播される.
ペスト菌感染動物を感染源とする直接感染もある.
肺ペスト患者から排出された気道分泌液により,ヒトーヒト間で飛沫感染する場合がある.
潜伏期間は通常1〜7日.
感染ルートや臨床像によって腺ペスト,肺ペスト,および敗血症型ペストに分けられる.
治療薬として,フルオロキノロン系,アミノグリコシド系もしくはテトラサイクリン系の抗菌薬が使用され,その投薬期間は10〜14日間である.〔これらの抗菌薬、抗生物質が発見、開発されたのは第二次世界大戦後のことです(筆者挿入)〕
適切な抗菌薬による治療が行われなかった場合,30%以上の患者が死亡する.
腺ペストでの死亡率は30〜60%である.肺ペストの場合はさらに死亡率は高まる.
抗生物質の発見前には全世界的な大流行が幾度か記録されており,特にヨーロッパでは黒死病〔内出血により皮膚が黒っぽく見える故の病名(筆者挿入)〕として古くから恐れられてきた.近年の流行は,アフリカ,南米で報告がある.北米やアジアでも散発事例が報告されている.

臨床症状
1)腺ペスト

腺ペストはペスト菌保有ノミによる吸血や,感染した動物(死亡個体を含む)との接触により傷口や粘膜から感染する。感染成立後,ペスト菌は感染部位の所属リンパ節へ移行する。リンパ節では菌の増殖が起こり,リンパ節組織の壊死,膿瘍形成がおこる。この結果,リンパ節はクルミないしアヒル卵大に腫大し〔聖書では「腫物」と表現(筆者挿入)〕,痛みが生じる。臨床症状としては,通例3~7日の潜伏期の後,リンパ節の腫脹に加え,発熱,頭痛,悪寒,倦怠感などの全身性の症状が現れる。ペスト菌が侵入部位で増殖した場合,化膿性潰瘍や出血性炎症を形成すること(皮膚ペストとも呼ばれる)があるがその頻度は高くない。

2)敗血症型ペスト

ペスト患者の約10%では,リンパ節の腫大などの局所症状を呈さず,血流感染から敗血症へ移行することがある。腺ペストの状態で,適切な治療が行われなかった場合,リンパ流,血流を介してペスト菌が全身播種し,敗血症型ペストに移行する場合もある。通例,発症後3~4日経過後に急激なショック症状,昏睡,手足の壊死,紫斑など敗血症を呈し2~3日以内に死亡する。また,稀に眼などの臓器でも化膿性潰瘍や出血性炎症を形成する場合があり,眼ペストと呼ぶこともある。

3)肺ペスト

最も危険なタイプである。腺ペスト末期,敗血症型ペストの経過中に肺に菌が侵入して肺炎を続発する場合がある。このとき肺では,肺胞が壊れており,患者はペスト菌を含んだ気道分泌液(血痰など)を排出するようになる。この患者が感染源となり,ヒト-ヒト間で飛沫感染が起こる。経気道感染の場合の潜伏期間は通例2~3日であるが,最短12~15時間という例もある。肺ペスト発病後は通常24時間以内に死亡すると言われる。臨床症状としては,強烈な頭痛,嘔吐,40℃前後の高熱,急激な呼吸困難,鮮紅色の泡立った血痰を伴う重篤な肺炎像を示す。”(抜粋)

 上記の文章を読んでいただければ、1サムエル5:11.12の「・・・。町中に死の恐慌があったのである。神の手は、そこに非常に重くのしかかっていた。死ななかった者は腫物で打たれ、助けを求める町の叫び声は天にまで上った。」(新改訳2017)というペリシテ人たちの言葉が大げさでないことが分かります。

 余談になりますが、現在流行しているコロナ感染症の比ではありません。
さらに脱線しますが、黙示録6章には、“7 子羊が第四の封印を解いたとき、私は、第四の生き物の声が「来なさい」と言うのを聞いた。8 私は見た。すると見よ、青ざめた馬がいた。これに乗っている者の名は「死」で、よみがそれに従っていた。彼らに、地上の四分の一を支配して、剣と飢饉と死病と地の獣によって殺す権威が与えられた。”(新改訳2017)という預言もあります。これは携挙後のことであろうと私は考えています。
現在、耐性菌の問題がクローズアップされていますが、抗生物質の出始めの頃の効果というものは目を見張るものがありました。今や、次々と耐性菌が出来て抗菌薬が効かなくなりつつあり、まもなく病気の中で最も怖いもの(死亡率のトップ)は、感染症になる可能性があります。私は聖書の預言はそのまま信じています。私はこの預言が近づいているのではないかと推測します。

 話を元に戻します。
5節には「あなたがたの腫物の像、つまり、この地を破滅させようとしているねずみの像を造り、それらをイスラエルの神に貢ぎとして献げなさい。もしかしたら神は、あなたがたと、あなたがたの神々、そしてあなたがたの地の上にのしかかっている、その手を軽くされるかもしれません。」とペリシテ人が言っているのですから驚きです。ペリシテ人は、腫物や死とねずみの関係、腫物や死やねずみとヤハウェ(主)の関係性をある程度つかんでいたのですから。

 10‐16節には、
“10 人々はそのようにした。彼らは乳を飲ませている雌牛を二頭取り、それを車につないだ。子牛は小屋に閉じ込めた。11 そして主の箱を車に載せ、また金のねずみ、すなわち腫物の像を入れた鞍袋を載せた。12 雌牛は、ベテ・シェメシュへの道、一本の大路をまっすぐに進んだ。鳴きながら進み続け、右にも左にもそれなかった。ペリシテ人の領主たちは、ベテ・シェメシュの国境まで、その後について行った。13 ベテ・シェメシュの人たちは、谷間で小麦の刈り入れをしていたが、目を上げると、神の箱が見えた。彼らはそれを見て喜んだ。14 車はベテ・シェメシュ人ヨシュアの畑に来て、そこにとどまった。そこには大きな石があった。人々は、車の木を割り、雌牛を全焼のささげ物として主に献げた。15 レビ人たちは、主の箱と、そばにあった金の品物の入っている鞍袋を降ろし、その大きな石の上に置いた。その日、ベテ・シェメシュの人たちは全焼のささげ物を献げ、いけにえを主に献げた。16 ペリシテ人の五人の領主は、これを見て、その日エクロンに帰った。”(新改訳2017)と記されています。

 乳を飲ませている2頭の雌牛は、子牛たちのもとに戻ることなく、まっすぐイスラエルの領地の方へと進んで行ったのです。このことによってペリシテ人の皆が、災いは神の箱にあったのだ、ということを確信したことでしょう。  

 17.18節には、
“17 ペリシテ人が償いとして主に返した金の腫物は、アシュドデのために一つ、ガザのために一つ、アシュケロンのために一つ、ガテのために一つ、エクロンのために一つであった。18 すなわち、金のねずみは、五人の領主に属するペリシテ人の町の総数によっていた。それは、砦の町と城壁のない村の両方を含んでいる。彼らが主の箱を置いたアベルの大きな台は、今日までベテ・シェメシュ人ヨシュアの畑にある。”(新改訳2017)と記されています。

 金のネズミや主の箱を置いたアベルの大きな台は、この出来事が事実であったことを後世の人が知るための遺跡のようなものとなったのではないかと思います。

 ベテ・シェメシュについて、聖書辞典は、“ペリシテとの国境に近い北西ユダの重要な町の一つで(2列王記14:11),ケサロンとティムナの間にある(ヨシュア15:10).エルサレムの西29キロにある丘陵地帯の中にあり,山地から海岸線に至る通路に当っている.最初はダン族に割り当てられたが(ヨシュア19:41では「イル・シェメシュ」),士師の時代にユダ族のものとなり,さらにレビ人に与えられて祭司の町となった(ヨシュア21:16”(抜粋)と記しています。

 19‐21節には、
“19 主はベテ・シェメシュの人たちを打たれた。主の箱の中を見たからである。主は、民のうち七十人を、すなわち、千人に五人を打たれた。主が民を激しく打たれたので、民は喪に服した。20 ベテ・シェメシュの人たちは言った。「だれが、この聖なる神、主の前に立つことができるだろう。私たちのところから、だれのところに上って行くのだろうか。」21 彼らはキルヤテ・エアリムの住民に使者を遣わして言った。「ペリシテ人が主の箱を返してよこしました。下って来て、あなたがたのところに運び上げてください。」”(新改訳2017)と記されています。

 ベテ・シェメシュの人たちの中には、主の箱の中を見たので、主に打たれて死ぬ人達が出ました。ベテ・シェメシュの人の中には、主の箱の神聖さを軽く考えていた人たちがいたようです。

 民数記4章には、“17 主はモーセとアロンにこう告げられた。18 「あなたがたは、ケハテ人諸氏族の部族をレビ人のうちから絶えさせてはならない。19 あなたがたは彼らに次のようにして、彼らが最も聖なるものに近づくときに、死なずに生きているようにせよ。アロンとその子らが入って行き、彼らにそれぞれの奉仕と、運ぶ物を指定しなければならない。20 彼らが入って行って、一目でも聖なるものを見て死ぬことのないようにするためである。」”(新改訳2017)と記されています。

 主の「聖性」について考えさせられます。
 イザヤは天のある情景を見ました。
イザヤ6章に、“2 セラフィムがその上の方に立っていた。彼らにはそれぞれ六つの翼があり、二つで顔をおおい、二つで両足をおおい、二つで飛んでいて、3 互いにこう呼び交わしていた。「聖なる、聖なる、聖なる、万軍の主〔ヤハウェ(筆者挿入)〕。その栄光は全地に満ちる。」”(新改訳2017)と記されています。
 使徒ヨハネも天のある情景を見ました。
黙示録4章に、“6 御座の前は、水晶に似た、ガラスの海のようであった。そして、御座のあたり、御座の周りに、前もうしろも目で満ちた四つの生き物がいた。7 第一の生き物は獅子のようであり、第二の生き物は雄牛のようであり、第三の生き物は人間のような顔を持ち、第四の生き物は飛んでいる鷲のようであった。8 この四つの生き物には、それぞれ六つの翼があり、その周りと内側は目で満ちていた。そして、昼も夜も休みなく言い続けていた。「聖なる、聖なる、聖なる、主なる神、全能者。昔おられ、今もおられ、やがて来られる方。」”(新改訳2017)と記されています。

 主は聖なるお方です。
聖なる主は、新生したキリスト者の霊の内にも住んでくださっておられます。
主の霊は、私たち新生した者のからだを用いて主の御業を行いたいと思っています(ヨハネ7:37-39、ローマ6:13)。
私たちの体を用いて頂くためには、いつも聖い歩みをする必要があると思います。
救いは、イエス・キリストを信じる信仰のみによりますが、聖なる歩みは、信仰を土台として主の内に在る歩みをすることです。
キリスト者の立場としての「聖」は、主の血潮によって完成されています。ヘブル10:10に「・・・イエス・キリストのからだが、ただ一度だけ献げられたことにより、私たちは聖なるものとされています。」(新改訳2017)記されています。
一方、実際の歩みについて、使徒ペテロは、「あなたがたを召された聖なる方に倣い、あなたがた自身、生活のすべてにおいて聖なる者となりなさい。『あなたがたは聖なる者でなければならない。わたしが聖だからである』と書いてあるからです。」(1ペテロ1:15.16・新改訳2017)と述べています。

<お祈り>
天のお父様。
あなたの御名を崇めます。
日々の一つ一つの歩みが、あなたの内に在る歩み、聖なる歩みでありますよう助け導き続けて下さい。
我らの主キリスト・イエス様の御名で祈ります。アーメン

・・・・・・・・・・・・・・・・
「天にいます私たちの父よ。御名が聖なるものとされますように。」(マタイ6:9・新改訳2017)

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コメント

疫病の薬が出来たのが、第二次世界大戦後である事を知り、疫病は神様の手で行われるものなので、それを人の手によって抑える事も恐ろしさの一つなのかと思い、コロナでは無くても、今後感染症は無くならないものである事だと思いました。
雌牛の歩みを記してくださっているのは、神様の働きの故に真っ直ぐに逸れずに歩めたのかと思いました。
主に心を委ねる事の大切さを学びます。
そして聖なる歩みを、日々取り入れてゆく事の大変さを実感します。主のお導きがなければ、心を主に向けていなければできない事です。

使徒ペテロが述べてくださったのは、1ペテ1:15.16でよかったでしょうか?
何時も学ばせてくださいます事を感謝いたします。

“使徒ペテロが述べてくださったのは、1ペテ1:15.16でよかったでしょうか?”→
その通りです。
早速書き入れておきました。
感謝します。

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