終末預言2 聖書に記されている「主の日」という用語について
聖書で使われてる「主の日」についての概念を学ぼうと思います。
キリスト教辞典には次のように記されています(担当執筆者は大山武俊氏です)。
“しゅのひ、キリストのひ 主の日、キリストの日 〈英〉Day of the Lord、 Day of Christ。「主の日」(〈ヘ〉yom YHWH)、「キリストの日」(〈ギ〉hemera tou kuriou)。
1.旧約聖書における「主の日」。
旧約聖書における「主の日」とは、主が圧倒的な力を持って直接介入される時を指す用語である。
戦場でのイメージを思い浮べてみるとわかりやすい。
ある町が敵軍に包囲されて滅亡寸前の時、町が王に援軍を求め、王が圧倒的な力を持って助けに来た場合、王は敵を撃滅し、追い払い、町を助ける。その日は味方にとっては歓喜の日、祝福と平和の日、敵にとっては破滅の日となる。〔一例として、イザヤ36.37章。特に37:36(筆者挿入)〕
実は、イスラエルの本当の王は神御自身なのである。
イスラエルが苦戦している時に神は助けて下さる。
出エジプトの時の神のみわざを見よ(出エジプト8:22,14:13,14)。
このように歴史上すでにしばしば「主の日」は到来しており(アモス5,6章、オバデヤ15,16節)、アモスは、イスラエルやユダさえも「主の日」のさばきから逃れることはできないと預言した。
しかし「主の日」は本来、主が来られる終末の時を意味している。
それゆえに旧約聖書では「終わりの日」(イザヤ2:2,エレミヤ23:20,48:47,ホセア3:5,ミカ4:1)とも言われ、
また「その日」(イザヤ11:10,エレミヤ33:15,ヨエル1:15)とも呼ばれている。
主の日には主が直接介入されるので、全宇宙は従来の枠組み(パラダイム)が大変動を起して、新しい枠組みを形成する(今日でも世界大戦や革命が終了すると同様なことが起るのと似ている)。
主の日の到来によって以下の事態が生じる。
(1)聖霊の授与(ヨエル2:28,29)〔文語訳、口語訳、新改訳、リビングバイブルは(ヨエル2:28,29)、新共同訳、フランシスコ会訳、聖書協会共同訳は(ヨエル3:1.2)となります(筆者挿入)〕。
(2)敵対する諸国民に対するさばき(ゼカリヤ14章)。
(3)イスラエルの栄光の日(アモス9:11‐15)。
(4)平和の確立(イザヤ2:2以下)。
(5)新天新地の確立(イザヤ65:17)。
2.新約聖書における「主の日」。
新約聖書においては、キリストの誕生、みわざ、苦難、復活という一連の神の働きのうちに、ある意味で「主の日」の到来を見ることができる。
「しかし、わたしが、神の指によって悪霊どもを追い出しているのなら、神の国はあなたがたに来ているのです」(ルカ11:20)。「『そら、ここにある。』とか、『あそこにある。』とか言えるようなものではありません。いいですか。神の国は、あなたがたのただ中にあるのです」(同17:21)。
しかし、キリストが神の栄光をもって再び来られる再臨の日こそ、真の意味で「その日」であり(マタイ24:36)、「キリストの日」である(ピリピ1:6,10)。この日がいつ来るかは誰にもわからない(マタイ24:36)が、種々の前兆(偽キリスト、戦争、地震、偽預言者、不法、背教など)が現れる(マタイ24:3以下、Ⅱテサロニケ2:2以下)。
〔“しかし・・・Ⅱテサロニケ2:2以下”までの上記文章では、キリストの空中再臨と地上再臨の捉え方がはっきりしていません。キリストの空中再臨の時の年月日は全く分かりませんが、キリストの地上再臨の時は分かるのです{ダニエル9:27参照}。マタイ24:36、ピリピ1:6.10はキリストの空中再臨の時です。(筆者挿入)〕
前兆は混乱を特徴としており、旧秩序の崩壊を示す(ノアの洪水の前にも大きな混乱があったのを思い起させる)。その後、旧創造が完全に神の意思に従う新創造が完成するのである。
それは、(1)救いの完成の日(ピリピ1:6,10,11)。
(2)最後の審判の日、神の怒りの日(マタイ10:15,ローマ2:5,16,Ⅱペテロ3:7)。
(3)復活の日(ヨハネ6:39)。
(4)悪魔の最終的敗北の日(黙示録20章である。→終末論、再臨。
〔参考文献〕『新聖書辞典』いのちのことば社、1985;Evangelical Dictionary of Theology、Baker、1984;New Concise Bible Dictionary、 IVP、1989。”と述べています。
主の日とは、①主の現れの日であり、②主が何らかのことを行われる日であり、②と一部ダブりますが、③主の裁き(御怒り)の日であり、④主の救いの日でもあります。
①主の現れの日について
キリストの空中再臨は、主の現れの日、とも言えます。
1ペテロ1:13には“ですから、あなたがたは心を引き締め、身を慎み、イエス・キリストが現れるときに与えられる恵みを、ひたすら待ち望みなさい。”(2017)と記され、
コロサイ3:4には“あなたがたのいのちであるキリストが現れると、そのときあなたがたも、キリストとともに栄光のうちに現れます〔霊のからだが与えられること(筆者挿入)〕。”(2017)と記されています。
②主が何らかのことを行われる日(裁きを除く)
黙示録1:10には“私〔ヨハネ(筆者挿入)〕は主の日に御霊に捕らえられ、私のうしろにラッパのような大きな声を聞いた。”(2017)とありますが、この主の日とは、主の御復活の日である日曜日かあるいは主の現われた日の意でしょう。「御霊に捕らえられ」という個所を直訳すると「霊の中に存在し、あるいは置かれた」となります。
また、新天新地の創造もここに入るでしょう。
③主の裁きの日(御怒りの日)
これは、アダムの堕罪における処罰に始まり、ノアの時代の大洪水、ロトの時代のソドムとゴモラへの裁き、・・・・・・とたくさんあり、これから後に行われるものとしては、大患難時代の裁き、千年王国時代の最後の裁き、今の宇宙が消滅した後に行われる最後の審判(白い御座の裁き)等があります。
④主の日は救いの日でもあります。
御怒りの日は、主に在る人たちを救い出す日でもあります。
「主の日」という用語は、色々な場合に使われることがわかります。
今回の、トミーの聖書理解のブログの「終末預言」では、「主の日」はおもに裁きの日として用いていきます。
<お祈り>
天のお父様。
あなたをほめたたえます。
主イエス様は「見ずに信じる者は幸いです。」と語られました。
大患難時代の状況を見、その状況を聖書と照らし合わせてから主イエス・キリスト様を救い主として、そして主として信じるのではなく、大患難時代の状況を見る前に主イエス・キリスト様を信じさせていただけましたことを感謝します。
私たちが祈っている人たちの中には、大患難時代に主イエス様を信じ、殉教して天に帰ってくる人たちもいるかもしれません。
もしそのような人たちがいるとしたら、どうかその人たちを強め、その人たちが天を仰ぎ見て、殉教してでも主のもとに帰ってくることができますように。
すべてをお委ねして私たちの主キリスト・イエス様の御名で祈ります。アーメン。
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黙示録6章“9 小羊が第五の封印を解いたとき、私は、神の言葉のゆえに、また、自分たちが立てた証しのゆえに殺された人々の魂を、祭壇の下に見た。
10 彼らは大声でこう叫んだ。「聖なるまことの主よ、あなたはいつまで裁きを行わず、地に住む者に私たちの血の復讐をなさらないのですか。」
11 すると、彼らの一人一人に白い衣が与えられ、それから、「あなたがたと同じように殺されようとしているきょうだいであり、同じ僕である者の数が満ちるまで、もうしばらくの間、休んでいるように」と告げられた。”(聖書協会共同訳)
黙示録7章“9 この後、私は数えきれぬほどの大群衆を見た。彼らはあらゆる国民、部族、民族、言葉の違う民から成り、白い衣を身にまとい、なつめやしの枝を手に持って、玉座と小羊の前に立っていた。
10 彼らは声高らかに言った。「救いは、玉座におられる私たちの神と小羊にある。」
11 また、天使たちは皆、玉座と長老たちと四つの生き物を囲んで立っていたが、玉座の前にひれ伏し、神を礼拝して、12 こう言った。
「アーメン。賛美、栄光、知恵、感謝、誉れ、力、権威が世々限りなく私たちの神にありますように。アーメン。」
13 すると、長老の一人が私に問いかけた。
「この白い衣を身にまとった者たちは誰か〔誰だかわかりますか(リビングバイブル)〕。またどこから来たのか。」〔どこから来たか知っていますか(リビングバイブル)〕
14 そこで私が、「私の主よ、それはあなたがご存じです」と答えると、長老は言った。「この人たちは大きな苦難をくぐり抜け、その衣を小羊の血で洗って白くしたのである。
15 それゆえ、彼らは神の玉座の前にいて、昼も夜も神殿で神に仕える。玉座におられる方が、彼らの上に幕屋を張る。
16 彼らは、もはや飢えることも渇くこともなく、太陽もどのような暑さも彼らを打つことはない。
17 玉座の中央におられる小羊が彼らの牧者となり、命の水の泉へと導き、神が彼らの目から涙をことごとく拭ってくださるからである。」”(聖書協会共同訳)
以上は艱難時代の聖徒の預言です。
新生したキリスト者は恵みの時代の聖徒です。
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今、イスラエルが戦っているのも主のですが働きがあるのかと思ってしまいます。主の御心が叶います様にと祈ります。
そんな私の日々は、まだまだ自力的有力的である事を思いました。主への信頼と祈りを深めてゆくことができますように祈り求めます。
〝主の日の到来によって以下の事態が生じる。・・ 2。新約聖書における「主の日」。・・〟の2の後が丸になっていました。
投稿: mitiko | 2023年12月 2日 (土) 11時13分
色々と忙しくて返信が遅れて申し訳ありませんでした。
ご指摘を感謝します。
早速直しておきました。
またよろしくお願いします。
投稿: トミー | 2023年12月 3日 (日) 06時21分