ピレモンへの手紙

2016年9月26日 (月)

ピレモン19-22.25 手紙のまとめと祝祷 

1:19このパウロが手ずからしるす〔この手紙は私パウロの自筆です(新改訳)〕、わたしがそれを返済する。この際、あなたが、あなた自身をわたしに負うていることについては、何も言うまい。
1:20兄弟よ。わたしはあなたから、主にあって何か益を得たいものである。わたしの心を、主にあって力づけてもらいたい。
1:21わたしはあなたの従順を堅く信じて、この手紙を書く。あなたは、確かにわたしが言う以上のことをしてくれるだろう。
1:22ついでにお願いするが、わたしのために宿を用意しておいてほしい。あなたがたの祈によって、あなたがたの所に行かせてもらえるように望んでいるのだから。
1:25
主イエス・キリストの恵みが、あなたがたの霊と共にあるように。”(口語訳)

 ここまでの話をまとめてみます。
コロサイ(現在のトルコ領内)にピレモンという神を信じ、聖徒に対する愛の豊かなキリスト者がいました。
ピレモンには、オネシモという奴隷がいました。オネシモはイエス様を信じていませんでした。オネシモはピレモンの所有物を盗んで逃亡しました。
この時代は、主人の物を盗んで逃亡した奴隷は罰として殺されることが常でした。
オネシモがパウロに出会ったいきさつは分かりませんが、オネシモは獄中にいるパウロから福音を聞き、罪を悔い改め、主イエス様を信じて救われたのでした。
オネシモは主にあって(主に結ばれて)、パウロにとって役に立つ者となりました。
パウロは、オネシモがピレモンにとっても、主にあって役に立つ者となりましたよ、と記しました。
ピレモンには既に聖徒を愛する愛が与えられていましたが、パウロは更にピレモンの愛がより豊かになることを願って手紙を記しました。
そして、ピレモンにオネシモを返すけれども、逃亡奴隷としてではなく、キリストにある愛する兄弟として受け入れてくれないだろうか、オネシモがあなた(ピレモン)に駆けた損害は私(パウロ)が払うから、と記してきました。

 そして、「わたしパウロが自筆で書いています。」(新共同訳)と19節にあります。パウロの手紙は口述筆記が多いですから、これはある意味特別なものですよ、と言っているように思えます。

 また、オネシモの負債は私(パウロ)が代わりに支払うけれども、あなた(ピレモン)が私に負っているものについては請求はしない、と述べています。「あなた(ピレモン)が今のようになれたのもまた、私(パウロ)によるのですが」(19・新改訳)とありますから、ピレモンが救われたのはパウロの働きを通してであったのであろうと思われます。

 パウロは、オネシモの件について、ピレモンに主の権威をもって、「オネシモを主キリストの故に赦し兄弟として受け入れなさい。」と命じることも出来たのです。8節には、「私は、あなたのなすべきことを、キリストにあって少しもはばからず命じることができるのです・・。」(新改訳)と記されています。パウロの思いはキリストの思いでした(ガラテヤ2:20)。20.21節には、「・・兄弟よ。私は、主にあって、あなたから益を受けたいのです。私の心をキリストにあって、元気づけてください。私はあなたの従順を確信して、あなたにこの手紙を書きました。私の言う以上のことをしてくださるあなたであると、知っているからです。」(新改訳)とあります。
パウロは、ピレモンをもオネシモをもこよなく愛していたのです。キリストから流れてくる愛によって。

 次の22節でパウロは、「ついでに、わたしのため宿泊の用意を頼みます。あなたがたの祈りによって、そちらに行かせていただけるように希望しているからです。」(新共同訳)と記しています。ピレモンはコロサイ教会の長老であったでしょう。
コロサイ教会に宛てた手紙の中に、
“4:7 私の様子については、主にあって愛する兄弟、忠実な奉仕者、同労のしもべであるテキコが、あなたがたに一部始終を知らせるでしょう。
4:8 私がテキコをあなたがたのもとに送るのは、あなたがたが私たちの様子を知り、彼によって心に励ましを受けるためにほかなりません。
4:9 また彼は、あなたがたの仲間のひとりで、忠実な愛する兄弟オネシモといっしょに行きます。このふたりが、こちらの様子をみな知らせてくれるでしょう。”(新改訳)とあります。

 また、同じコロサイ人への手紙の中に、奴隷と主人の関係は如何にあるべきか、ということを、
“3:22 奴隷たちよ。すべてのことについて、地上の主人に従いなさい。人のごきげんとりのような、うわべだけの仕え方ではなく、主を恐れかしこみつつ、真心から従いなさい。
3:23 何をするにも、人に対してではなく、主に対してするように、心からしなさい。
3:24 あなたがたは、主から報いとして、御国を相続させていただくことを知っています。あなたがたは主キリストに仕えているのです。
3:25 不正を行う者は、自分が行った不正の報いを受けます。それには不公平な扱いはありません。
4:1 主人たちよ。あなたがたは、自分たちの主も天におられることを知っているのですから、奴隷に対して正義と公平を示しなさい。”(新改訳)と記しています。

 <お祈り>
天のお父様。
あなたの御名を崇めます。
ピレモンへの手紙を読むと、1コリント13章の中に、「愛は寛容であり、愛は親切です。・・・礼儀に反することをせず、自分の利益を求めず、・・人のした悪を思わず・・」(4.5・新改訳)とあるのを思い起こします。
私は愛の乏しいものです。憐れんでくださり、愛の内を歩む者とさせてください。
主イエス・キリスト様の御名によってお祈りします。アーメン
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(エペソ3:14-19)
“3:14 こういうわけで、私はひざをかがめて、
3:15 天上と地上で家族と呼ばれるすべてのものの名の元である父の前に祈ります。
3:16 どうか父が、その栄光の豊かさに従い、御霊により、力をもって、あなたがたの内なる人を強くしてくださいますように。
3:17 こうしてキリストが、あなたがたの信仰によって、あなたがたの心のうちに住んでいてくださいますように。また、愛に根ざし、愛に基礎を置いているあなたがたが、
3:18 すべての聖徒とともに、その広さ、長さ、高さ、深さがどれほどであるかを理解する力を持つようになり、
3:19 人知をはるかに越えたキリストの愛を知ることができますように。こうして、神ご自身の満ち満ちたさまにまで、あなたがたが満たされますように。”(新改訳)

2016年9月25日 (日)

ピレモン8-20 愛の嘆願

1:8こういうわけで、わたしは、キリストにあってあなたのなすべき事を、きわめて率直に指示してもよいと思うが、
1:9むしろ、愛のゆえにお願いする。すでに老年になり、今またキリスト・イエスの囚人となっているこのパウロが、
1:10捕われの身で産んだわたしの子供オネシモについて、あなたにお願いする。
1:11彼は以前は、あなたにとって無益な者であったが、今は、あなたにも、わたしにも、有益な者になった。
1:12彼をあなたのもとに送りかえす。彼はわたしの心である。
1:13わたしは彼を身近に引きとめておいて、わたしが福音のために捕われている間、あなたに代って仕えてもらいたかったのである。
1:14しかし、わたしは、あなたの承諾なしには何もしたくない。あなたが強制されて良い行いをするのではなく、自発的にすることを願っている。
1:15彼がしばらくの間あなたから離れていたのは、あなたが彼をいつまでも留めておくためであったかも知れない。
1:16しかも、もはや奴隷としてではなく、奴隷以上のもの、愛する兄弟としてである。とりわけ、わたしにとってそうであるが、ましてあなたにとっては、肉においても、主にあっても、それ以上であろう。
1:17そこで、もしわたしをあなたの信仰の友と思ってくれるなら、わたし同様に彼を受けいれてほしい。
1:18もし、彼があなたに何か不都合なことをしたか、あるいは、何か負債があれば、それをわたしの借りにしておいてほしい。
1:19このパウロが手ずからしるす、わたしがそれを返済する。この際、あなたが、あなた自身をわたしに負うていることについては、何も言うまい。
1:20兄弟よ。わたしはあなたから、主にあって何か益を得たいものである。わたしの心を、主にあって力づけてもらいたい。”(口語訳)

 いよいよこの手紙の話の本題に入ります。それはオネシモの扱いについてでした。
前に書きましたが、オネシモは、ピレモンの奴隷でした(16)。しかもオネシモは主人ピレモンの家から何かを盗み出した(18.19)逃亡奴隷であったのです。当時はこのような奴隷を見つけ出したならば死刑にしてもよかったのです。
オネシモがパウロに出会ったいきさつについて、この手紙は黙していますが、オネシモはパウロに出会い、パウロを通してキリストの救いを得たのでした。10節には「捕われの身で〔獄中で(新改訳)〕産んだわたしの子供オネシモについて、あなたにお願いする。」(口語訳)と記されています。
更にパウロは、ピレモンに対し、オネシモを寛大に扱ってほしい、オネシモを赦してほしいという願いから、オネシモがキリストを信じる前は、あなたにとって盗みを働くような逃亡奴隷という無益な者であったが、今やオネシモはキリスト者となった故、あなたにとっても、わたしにとっても、有益な者になった、と述べました(11)。

 この手紙を読むと、パウロの牧会の姿勢が見えるように思われます。他のパウロの手紙を読んだだけでは分からないパウロの一人一人に対する配慮が少しわかるような気がします。パウロが、ミレトにおいてエペソ教会の長老たちに、「・・・わたしが三年の間、夜も昼も涙をもって、あなたがたひとりびとりを絶えずさとしてきたことを、忘れないでほしい。」(使徒20:31・口語訳)と語りましたが、ピレモンへの手紙を読むと、ただ訓戒するというのではなく、相手の長所を主に感謝しつつ褒め、伸ばし、改善すべきところを指摘するというような方法であったのでしょう。パウロの勧めに従わないどころか敵対していたようなコリント教会の人の言葉に、「パウロの手紙は重みがあって力強いが、実際に会った場合の彼は弱々しく、その話しぶりは、なっていない。」(2コリント10:10・新改訳)というのがありますが、色々配慮して語っていることを逆手に取れば頷ける気がします。
コリント教会のパウロの敵対者は、「パウロの手紙は重みがあって力強い」と言っています。ピレモンに対しても、パウロは、キリストにあってあなたのなすべき事を命じます、と極めて率直に指示することも出来たのです。しかし、実際の牧会ではそうはしなかったのです。
神様は、ピレモンにキリストに対する信仰を持たせて救い、ピレモンの神に対する信仰を成長させ、他のキリスト者を愛する愛を成長させて来られたのです(5)。パウロの内におられる主(ガラテヤ2:20)は更にピレモンの愛を増させることによってこの問題の処理にあたったのでしょう。いやいやながらではなく、喜びをもって主の御心を受け入れ、さらなる主からの恵みを受けることが出来るように、ということだと思います。

 ここで、パウロの配慮を並べてみると、
①5節には、「主イエスに対してあなたが抱いている信仰と、すべての聖徒に対するあなたの愛とについて聞いている」とのべ、
②7節では、「私はあなたの愛から多くの喜びと慰めとを受けました。それは、聖徒たちの心が、兄弟よ、あなたによって力づけられたからです。」とのべ、
③老人となり、現在はキリスト・イエスの故に獄中にある(9)者からのお願い、という形をとり、
④あなた(ピレモン)の奴隷であるオネシモは、あなたの物を盗み、逃亡したけれども、神様はオネシモを私(パウロ)のところに導き、私を通して、罪を悔い改めキリストを信じてキリスト者となった(18.19.10)、ということを述べ、
⑤オネシモが返済しなければならないものは、私が代わりに払う(18.19)と言い、――この言葉はキリストが私たちのすべての罪を身代わりに負ってくださったことを思いうかべさせられます――
⑥キリスト者となったオネシモは、私(パウロ)にとってもあなた(ピレモン)にとっても、役に立つ者となっている(11)と述べ、
⑥あなた(ピレモン)が救われたのは私(パウロ)を通してである(19)ので、そのお礼にと言ってはなんですが、感謝と愛の故に主にあってあなたが私に仕えてもよいのですが、あなたの代わりにオネシモを福音の働きの為に私のところに留め置くことも可能ですよ(13)、と述べています。

 そして、「彼がしばらくの間あなたから離されたのは、たぶん、あなたが彼を永久に取り戻すためであったのでしょう。もはや奴隷としてではなく、奴隷以上の者、すなわち、愛する兄弟としてです。特に私にとってそうですが、あなたにとってはなおさらのこと、肉においても主にあっても、そうではありませんか。ですから、もしあなたが私を親しい友と思うなら、私を迎えるように彼を迎えてやってください。」(15-17・新改訳)と述べています。
 また、パウロは、「あなたがしてくれる親切は強制されてではなく、自発的でなければいけないからです。」(14・新改訳)とも述べました。
 <お祈り>
天のお父様。
あなたの御名を崇めます。
パウロの教会向けの書簡を読むと「パウロの手紙は重みがあって力強い」(2コリント10:10)とある通りであると思いますが、一人一人に相対して行う指導には、信仰深い愛のこもった細やかさをみます。
私などは、パウロのこの時の年齢を超えてはいても、このピレモンへの手紙を読むと足元にも及ばないことを実感します。憐れんでください。
主イエス・キリスト様の御名によってお祈りします。アーメン

2016年9月24日 (土)

ピレモン4-7 ピレモンに関する神への感謝の祈り

1:4わたしは、祈の時にあなたをおぼえて、いつもわたしの神に感謝している。
1:5それは、主イエスに対し、また、すべての聖徒に対するあなたの愛と信仰とについて、聞いているからである。
1:6どうか、あなたの信仰の交わりが強められて、わたしたちの間でキリストのためになされているすべての良いことが、知られて来るようになってほしい。
1:7兄弟よ。わたしは、あなたの愛によって多くの喜びと慰めとを与えられた。聖徒たちの心が、あなたによって力づけられたからである。”(口語訳)

 4節には、「私は、祈りのうちにあなたのことを覚え、いつも私の神に感謝しています。」(新改訳)とあります。
パウロは、「いつでも、すべてのことについて、私たちの主イエス・キリストの名によって父なる神に感謝しなさい。」(エペソ5:20・新改訳)と述べていますが、パウロは、祈る時には多くの場合感謝から始めたのかも知れません。

 聖書に載っているパウロの手紙は、宛先の人or人々に、教えと戒めと矯正と嘆願等をするときなどに書かれていますが、手紙の挨拶文の次には、多くの場合、神様への感謝が記されています。その感謝の内容は、手紙を受け取る人(人々)の良い点を神様に感謝するというものです。
例えば、教会内に多くの問題を抱えていたコリント教会に宛てられた手紙(Ⅰ)の場合には、
“1:4 私は、キリスト・イエスによってあなたがたに与えられた神の恵みのゆえに、あなたがたのことをいつも神に感謝しています。
1:5 というのは、あなたがたは、ことばといい、知識といい、すべてにおいて、キリストにあって豊かな者とされたからです。
1:6 それは、キリストについてのあかしが、あなたがたの中で確かになったからで、
1:7 その結果、あなたがたはどんな賜物にも欠けるところがなく、また、熱心に私たちの主イエス・キリストの現れを待っています。”(新改訳)とあります。
ピレモンが所属していたコロサイ教会への手紙には、
“1:3 私たちは、いつもあなたがたのために祈り、私たちの主イエス・キリストの父なる神に感謝しています。
1:4 それは、キリスト・イエスに対するあなたがたの信仰と、すべての聖徒に対してあなたがたが抱いている愛のことを聞いたからです。”(新改訳)とあります。
このピレモンへの手紙では、
“1:4 私は、祈りのうちにあなたのことを覚え、いつも私の神に感謝しています。
1:5 それは、主イエスに対してあなたが抱いている信仰と、すべての聖徒に対するあなたの愛とについて聞いているからです。”(新改訳)とあります。

 ピレモンは、ゆるぐことの無い主イエスに対する信仰を持っていた(与えられていた)と思います。また、ピレモンは、キリストにある兄姉達に対する愛の実践もしていたのだと思います。
愛について考えるとき、愛の質は?愛の量は?愛の成熟度は?という尺度によっても考えることが出来ると思います。
パウロがピレモンに願う内容は、ピレモンの所有であった奴隷オネシモを、赦し、受け入れ、かつキリストにある兄弟として受け入れてほしい、というものであったのです。
オネシモは、ピレモンの所有物を盗んで逃亡した奴隷でした。

 この当時、“奴隷の主人は、少しでも主人に損害を与えるようなことをしでかすと、主人は恐るべき刑罰、時には死刑を与えた。奴隷制は当時の社会の支柱であったから、奴隷の所有者は、反抗的な奴隷を処罰すべき責任を社会に対して負っていたのである。そしてその時代の人々は、それをあたりまえのこととして認めていた。”と新聖書注解にあります。

 パウロは、オネシモに対する取り扱いから始めずに、ピレモンの信仰と愛との与え主である神様に感謝することから初め、更に、6節では、「私たちの間でキリストのためになされているすべての良い行いをよく知ることによって、あなたの信仰の交わりが生きて働くものとなりますように。」(新改訳)と後に記す内容の暗示と信仰の交わりが生きて働くようにと述べています。そしてさらにダメ押しのように、「〔というのは、{ギリシャ語聖書にはこの語があります}(筆者挿入)〕私はあなたの愛から多くの喜びと慰めとを受けました。それは、聖徒たちの心が、兄弟よ、あなたによって力づけられたからです。」(7・新改訳)と述べて、神への信仰、人への愛のさらなる高揚をパウロは期待しているように思えます。

 <お祈り>
天のお父様。
あなたの御名を崇めます。
私などは、何か問題に直面し、何か言わなければならない時に、すぐに本題に入ってしまいやすいせっかちなものですが、パウロはそうではありませんでした。
パウロのように、如何なる場合でも神様に感謝し、相手の人の心が開かれ、心が引き上げられ、課題を受け入れ易くなるようにとの愛の配慮をすることが出来る者とさせてください。
主イエス・キリスト様の御名によってお祈りします。アーメン

2016年9月23日 (金)

ピレモン1-3、23.24 手紙の初めと終わりの挨拶

1:1キリスト・イエスの囚人パウロと兄弟テモテから、わたしたちの愛する同労者ピレモン、
1:2姉妹アピヤ、わたしたちの戦友アルキポ、ならびに、あなたの家にある教会へ。
1:3わたしたちの父なる神と主イエス・キリストから、恵みと平安とが、あなたがたにあるように。
1:23キリスト・イエスにあって、わたしと共に捕われの身になっているエパフラスから、あなたによろしく。
1:24わたしの同労者たち、マルコ、アリスタルコ、デマス、ルカからも、よろしく。”(口語訳)

 この手紙は、パウロからおもにピレモンに宛てられたものであり、内容の性質上、ピレモンのみならず、ピレモンの家に集っていたキリストにある兄姉達に宛てて記されています。

 「キリスト・イエスの囚人パウロ」(1)及び、「わたしと共に捕われの身になっているエパフラス」(23)とあるところから、キリスト・イエスのしもべであるパウロが囚われの身とされている状態にある時に記された手紙であることが分かります。更に、コロサイ4:10によると、マルコもアリスタルコもパウロと一緒に囚人とされていたことが分かります。即ち、ピレモンへの手紙は、エペソ人への手紙、ピリピ人への手紙、コロサイ人への手紙と同じく、第一回目のローマの獄中にあった時(AD61.62年頃)に記された手紙です。

 1.2節より、ピレモンは自分の家を集会場として提供していたことが分かります。ピレモンはコロサイにおいて神の国のために働く同労者として良き働きをしていたのです。

 「戦友アルキポ」(2)とありますが、この戦友とは霊の戦いの戦友のことです。コロサイ4:17には、「アルキポに、『主にあって受けた務めを、注意してよく果たすように』と言ってください。」(新改訳)とあります。

 パウロは、ピレモン、アピヤ、アルキポ並びにピレモンの家の教会に集っている兄姉達の顔を思いうかべ、「わたしたちの父なる神と主イエス・キリストから、恵みと平安とが、あなたがたにあるように。」(3)と祈りながら、始めの挨拶としてこの文を記したものと思います。

 23節には「キリスト・イエスにあって、わたしと共に捕われの身になっているエパフラスから、あなたによろしく。」とあります。
コロサイ教会の兄姉達に対するエパフラスのとりなしの祈りについてパウロは、コロサイ4:12で、「彼はいつも、あなたがたが完全な人となり、また神のすべてのみこころを十分に確信して立つことができるよう、あなたがたのために祈りに励んでいます。」と記しています。

 24節に「・・・デマス・・からもよろしく」とあります。
残念なことに、この手紙を書いた数年後、「デマスは今の世を愛し、私を捨ててテサロニケに行ってしまい、」(2テモテ4:10・新改訳)と記されています。

 一方、マルコについては、2テモテ4:11でテモテに対して、「マルコを伴って、いっしょに来てください。彼は私の務めのために役に立つからです。」(新改訳)と記されています。

 <お祈り>
天のお父様。
あなたの御名を崇めます。
主に仕える兄姉達の名の一部が記されていましたが、今の時代にも世界中には数え切れないほどの兄姉達がいることと思います。
私たちがデマスのようになってしまうことがありませんよう主が守ってくださいますように。
逆にテモテのように、役に立つようになったよ、と言ってもらえるようにお整えください。
主イエス・キリスト様の御名によってお祈りします。アーメン

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