ヨブ42章 ヨブ記終章
1節には、“ヨブは主〔ヤハウェ(筆者挿入)〕に答えた。”(2017)とあり、ヨブは、ヨブに対するヤハウェ(主)のことば{38-41章(ヨブ40:3-5を除く)}を聞いた後、2-6節の内容をヤハウェ(主)に申し上げました。
2-6節には、ヨブの悔い改めが次のように記されています。
“2 あなたには、すべてのことができること、どのような計画も不可能ではないことを、私は知りました。
3 あなたは言われます。「知識もなしに摂理をおおい隠す者はだれか」と。確かに私は、自分の理解できないことを告げてしまいました。自分では知り得ない、あまりにも不思議なことを。
4 あなたは言われます。「さあ、聞け。わたしが語る。わたしがあなたに尋ねる。わたしに示せ」と。
5 私はあなたのことを耳で聞いていました。しかし今、私の目があなたを見ました。
6 それで、私は自分を蔑み、悔いています。ちりと灰の中で。”(2017)とあります。
ヨブは、災いにあう前にヤハウェ(主)から御言葉をかけられたことが何度もあったと思われるのです(ヨブ29:2-4)。
しかし、この42章では、「今、私の目があなたを見ました。」と述べています。
ヨブが災いにあう前でさえ、ヨブは、「無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きていた。」(ヨブ1:1・新共同訳)という評価を受けていた人でありました。
しかし、ヨブは、試みに会い、主にお会いし、悔い改め、より一層主に近い者とされたのです。
ヤハウェ(主)は、テマン人エリファズとシュアハ人ビルダデ、ナアマ人ツォファルに対し、ヤハウェ(主)について、わたしの僕ヨブのように正しく語らなかった、ということで叱責なさいました。7.8節には次のように記されています。
“7 主〔ヤハウェ(筆者挿入)〕がこれらのことばをヨブに語った後、主〔ヤハウェ(筆者挿入)〕はテマン人エリファズに言われた。「わたしの怒りはあなたとあなたの二人の友に向かって燃える。あなたがたが、わたしのしもべヨブのように、わたしについて確かなことを語らなかったからだ。8 今、あなたがたは雄牛七頭と雄羊七匹を取って、わたしのしもべヨブのところに行き、自分たちのために全焼のささげ物を献げよ。わたしのしもべヨブがあなたがたのために祈る。わたしは彼の願いを受け入れるので、あなたがたの愚行に報いるようなことはしない。あなたがたは、わたしのしもべヨブのように、わたしについて確かなことを語らなかったが。」”(2017)とあります。
ここに至って、ヨブ1:13-2:12の中に見られるヨブのあった災いは、ヨブの罪からではないことがヤハウェ(主)によって証明されました。
テマン人エリファズ、シュアハ人ビルダデ、ナアマ人ツォファルたちは、ヨブをいじめに来たのではなく、ヨブに同情し、慰めようと、互いに打ち合わせて来たのです(ヨブ2:11)。ヨブのところに来た動機は良いものでした。その上、7日間も、何も言えずにヨブのそばに座っていたのです(ヨブ2:13)。その後、ヨブを良くしてあげようとヨブに色々と助言し、罪を悔い改めるように迫ったのです。しかし、ヨブへの助言の中に間違いがあったのです。ヤハウェ(主)について正しく語らなかったところがあったのです。ヤハウェ(主)は、それを悔い改めるようにテマン人エリファズに言ったのです。ヤハウェ(主)について正しく語らなかった罪をヤハウェ(主)に赦して頂くためには、雄牛七頭と雄羊七匹のささげものと、ヤハウェ(主)のしもべヨブの祈りが必要であったのです。
キリスト者の場合には、雄牛七頭と雄羊七匹ではなく、まことのささげものであるイエス・キリスト様がおられます。「ただ一度イエス・キリストの体が献げられたことにより、わたしたちは聖なる者とされたのです。」(ヘブル10:10・新共同訳)と記されています。
とはいえ、間違いを犯したときには、それを主に告白する必要があります。罪を持ったままでは、主との交わりに支障をきたすのです。キリスト者が罪を犯した場合には、1ヨハネ1:9の「もし私たちが自分の罪を告白するなら、神は真実で正しい方ですから、その罪を赦し、私たちをすべての不義からきよめてくださいます。」(2017)という聖句が適用されます。
ヨブが語った中にも間違ったことはありました。しかし、7節後半には、「おまえたちがわたしについて言ったことは、わたしのしもべヨブほど正しくなかったからだ。」(リビングバイブル)と記されています。
次の9節には、“テマン人エリファズと、シュアハ人ビルダデと、ナアマ人ツォファルは行って、主〔ヤハウェ(筆者挿入)〕が彼らに命じられたようにした。すると主〔ヤハウェ(筆者挿入)〕はヨブの願いを受け入れられた。”(2017)と記されています。
ヨブは、ヤハウェ(主)の命に従い、自分に散々ひどいことを言ったテマン人エリファズと、シュアハ人ビルダデと、ナアマ人ツォファルのために祈りました。主はその祈りを喜ばれました。そして、テマン人エリファズと、シュアハ人ビルダデと、ナアマ人ツォファルの罪を赦しただけではなく、ヨブに二倍の祝福と長寿を与えたのです。10-17節には次のように記されています。
“10 ヨブがその友人たちのために祈ったとき、主〔ヤハウェ(筆者挿入)〕はヨブを元どおりにされた。さらに主〔ヤハウェ(筆者挿入)〕はヨブの財産をすべて、二倍にされた。
11 こうして彼のすべての兄弟、すべての姉妹、それに以前のすべての知人は、彼のところに来て、彼の家で一緒に食事をした。そして彼に同情し、主〔ヤハウェ(筆者挿入)〕が彼の上にもたらされたすべてのわざわいについて、彼を慰めた。彼らはそれぞれ一ケシタ〔古代の貨幣で、羊一頭分の価値がある(筆者挿入)〕と金の輪一つずつを彼に与えた。
12 主〔ヤハウェ(筆者挿入)〕はヨブの後の半生を前の半生に増して祝福された。それで彼は羊一万四千匹、らくだ六千頭、牛一千くびき、雌ろば一千頭を持つことになった。13 また、息子七人、娘三人を持った。14 彼はその第一の娘をエミマ、第二の娘をケツィア、第三の娘をケレン・ハ・プクと名づけた。15 ヨブの娘たちほど美しい女は、この地のどこにも見つからなかった。彼女たちの父は彼女たちに、その兄弟たちの間で相続地を分け与えた。
16 この後ヨブは百四十年生き、自分の子と、その子の子たちを四代目まで見た。
17 こうしてヨブは死んだ。年老いて満ち足りた生涯であった。”(2017)とあります。
<お祈り>
天のお父様。
あなたの御名を崇めます。
ヨブ記42章からいくつかの聖句を思い浮かべました。
あなたのみ前にへりくだって歩むことこそ、あなたから祝福を受ける基礎になることを覚えます。
聖霊様に導かれて、日々あなたのみ旨の内を歩み続ける者であらせてください。
我らの主キリスト・イエス様の御名で祈ります。アーメン
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「わたしのしていることは、今あなたには分かるまいが、後で、分かるようになる」(ヨハネ13:7・新共同訳)
「自分の敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。」(マタイ5:44・2017)
「悪に対して悪を返さず、侮辱に対して侮辱を返さず、逆に祝福しなさい。あなたがたは祝福を受け継ぐために召されたのです。」(1ペテロ3:9・2017)
“5 そして、あなたがたに向かって子どもたちに対するように語られた、この励ましのことばを忘れています。「わが子よ、主の訓練を軽んじてはならない。主に叱られて気落ちしてはならない。
6 主はその愛する者を訓練し、受け入れるすべての子に、むちを加えられるのだから。」
7 訓練として耐え忍びなさい。神はあなたがたを子として扱っておられるのです。父が訓練しない子がいるでしょうか。
8 もしあなたがたが、すべての子が受けている訓練を受けていないとしたら、私生児であって、本当の子ではありません。
9 さらに、私たちには肉の父がいて、私たちを訓練しましたが、私たちはその父たちを尊敬していました。それなら、なおのこと、私たちは霊の父に服従して生きるべきではないでしょうか。
10 肉の父はわずかの間、自分が良いと思うことにしたがって私たちを訓練しましたが、霊の父は私たちの益のために、私たちをご自分の聖さにあずからせようとして訓練されるのです。
11 すべての訓練は、そのときは喜ばしいものではなく、かえって苦しく思われるものですが、後になると、これによって鍛えられた人々に、義という平安の実を結ばせます。
12 ですから、弱った手と衰えた膝をまっすぐにしなさい。
13 また、あなたがたは自分の足のために、まっすぐな道を作りなさい。足の不自由な人が踏み外すことなく、むしろ癒やされるためです。”(ヘブル12章・2017)